【書評】アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略(ベン・パー著)

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アテンション「注目」で人を動かす7つの新戦略

以前深津さん(THE GUILD)がおすすめしていたアテンション(原題:Captivology)という本を読んだので学びをメモ程度に。

 

 

3つの注目のレベル

著者のベン・パーによると注目には下記3段階がある。

人からの注目を獲得するにはこの3段階を意識して戦略を作ることが重要。

1. 即時の注目(点火)

本能的、感覚的、心理的、生理的などの無意識の反応による注目。

例)名前を呼ばれて振り向く、大きな音に驚く、等

2. 短期の注目(藁火)

脳の作業記憶を使う注目。なにかに集中している状態。

例)演説を聞く、映画を見る、本を読む

3. 長期の注目(焚火)

長期的な興味を深くつなぎとめている状態。

例)好きなアーティストのライブに行く、お気に入りのコーヒーを買う

 

人の注目を引き起こす7つのトリガー

ベン・パー曰く、人の注目を引き起こすのは下記の7つのトリガーがある。

1. 自動トリガー

本能的、感覚的、心理的、生理的な無意識の反応を引き起こすトリガー。

即時の注目を引き起こす。

例)ヒッチハイクをしている女性が赤い服を着ると成功率が上がる

 

2. フレーミングトリガー

人が何かを判断する時に無意識に使っている、自分自身の持っている「判断基準」に働きかけるトリガー。

「判断基準」は経験、生まれながらの性質、文化的背景、興味、気分、価値観、などによって構築される。

A. 適応

相手の判断基準に合うように適応するアプローチ

例)とある地下鉄の演奏者は人の心理や習慣、好みを対話や観察等を通して分析し、人々が求めるものを提供する

B. 議題設定

相手の判断基準を変えるアプローチ

例)汗の話題がタブーだった時代にその慣習、価値観を否定して制汗スプレーの市場を作った

例)何度も接点を持たせることで親しみを感じるようになる(有効接触頻度)

例)限定商品(希少性を持たせる)

 

3. 破壊トリガー

予想、期待を裏切ることで注目を引くトリガー。

驚き(Surprise)

驚き 予想、期待を裏切る

単純さ(Simplicity)

認知負荷を下げる

重要性(Significance)

破壊を意味のあるものにする

 

4. 報酬トリガー

外的報酬

金銭、トロフィー、表彰等

内的報酬

達成感、満足感、社会的意義

 

報酬の種類

  • インセンティブ – 行動への対価
  • ポストアクション – 達成した際の予想外の報酬
  • 収集 – コレクションの完成を念頭に置いた報酬
  • くじ – 運による報酬
  • ランダムな報酬 – 報酬をもらえることは知っているそれが何かはわからない(ガチャ)
  • 贈り物 – 別ユーザからの報酬

 

5. 評判トリガー

すでに評判があるものに流される心理、ある分野のスペシャリストの助言を信用しやすい心理に訴えかけるトリガー。

権威者

専門家や有名人、カリスマ性のある人物によるお墨付きを得る

大衆(バンドワゴン効果)

大衆の判断は大抵の場合正しい

 

6. ミステリートリガー

謎、未完成、不確実性、サスペンスを提供することで完結させたい、結末を知りたい欲求、パズルを解いたときの快感を与えるトリガー。未完了の事柄は記憶に残りやすい。

3つの戦術

  • 新しい謎を提供する
  • クリフハンガーの決着をつける
  • ストーリーを前に進める

 

7. 承認トリガー

他者から認められたいという承認欲求に訴えかけるトリガー。

  • 認知
  • 評価
  • 共感 – 統計的な数字よりも顔の見える1人のために募金をする(顔の見える犠牲者効果)

注目を得るためにはまず注目をして相手の承認欲求を満たす。

 


自分でサービスを作る時、上記トリガーが適切に盛り込まれているかをチェックしてみようと思います。

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